初代会長 佐伯(八木) 街子(名古屋大学基礎・臨床看護学講座)

2013年5月、東京にて次世代医療教育研究会(The Society of Medical Education for the Next Generation:SMeNG)第1回研究会が決起集会という形で開催されました。その後、2013年7月東京、10月栃木、11月名古屋、2014年1月東京、と発足年ながらも年間で計5回の研究会を開催することができました。第2回より、アドバイザーとしてインストラクショナル・デザインの専門家である米島博司氏にもご協力いただいております。参加者は延べ41名、うち学生参加は5名でした。

本研究会では1発表に対し約1時間の枠を設け、参加者と意見交換をしながら内容を深めていきます。近年、多くの学会発表において短時間での発表・報告が求められる中、この試みは非常に贅沢で有意義であると思います。1時間も…、と思う方もいらっしゃいますが、いつも時間が足りなくなる状況です。これは、質問、アドバイス等が充実しており、参加者が発言しやすい環境があることが理由であり、本研究会の持ち味と考えております。
加えて、本研究会の強みは多職種で構成されていることです。多角的な視点から議論することで、発表者一人では気が付かなかった部分を掘り起こし、内容を深め、次のステップに導く、そのような役割があると思います。このような流れが第2回研究会から構築されていきました。
第3回研究会では会場となった自治医科大学で学園祭が催されていたこともあり、従来の研究会に加えて施設見学も実施しました。第4回研究会では、実施した発足当初から提案されていた「学生セッション」も実施しました。若い世代のみずみずしい意見や感想を聞き、且つ視野の広い議論が繰り広げられたことも大きな収穫です。この場は、学生同士の交流の場にもなりますので、今後の研究会においては医療系学生の参加を促進させる試みも検討していく必要があります。この回から発表者以外のLightning Talkが実施されました。
次年度に向けて、次世代医療教育研究会はますます躍進を続けます。遠隔地からの参加を容易にするTele-conferenceの導入、論文抄読会の実施、抄録集の作成、Webサイトの利用…等、密度の濃い活動をすでに予定しています。これらの実施についても会員の英知を結集すれば、研究テーマとして検討していくことができると思います。みなさま、いかがでしょうか。

次年度は2014年5月17~18日に京都での実施が決定しております。続いて、11月に鳥取、2015年1月に東京を予定しています。ついに念願の西日本開催が実現します。これまで参加された方はもちろんのこと、参加ができなかった方はぜひ参加していただき、研究会の空気を肌で感じていただきたいと思います。今後も充実した議論を重ねていきましょう。